2022.06.06リライト
こんにちは!
きんぎょです。
本日ご紹介するETFはこちらです!
1593 MAXIS JPX日経400上場投信
結論を先に申しますと、このETFは同指数の中で最低水準の信託報酬率を誇り、流動性もそれなりで、同指数に投資するのであればオヌヌメできるETFです!
「JPX日経400指数に投資したい!」という方にとっては、良い選択肢といえるのではないでしょうか(^^♪
しかし・・・
そもそも「JPX日経400指数」に投資する必要があるのか、という点が非常に微妙な判断となります!
それはなぜか・・・
JPX日経400ってな~に?
皆さん!
「JPX日経400」という指数をご存じですか?
う~ん・・・
聞いたことがあるような・・・?
か~!
これだから低能な出目金は嫌なんだ!
日本を代表する株価指数は、言わずと知れた「日経平均株価」と「TOPIX」です。
しかし、これらの株価指数は一長一短で、いずれも指数としての偏りがあると指摘されておりました!
「日経平均株価」の問題点
・「ファーストリテーリング」や「ファナック」などの、一部値嵩株の影響が大きくなってしまう
・各業種の選定銘柄に偏りがある
(なぜ業界最大手のSBIではなく、松井証券が入っているのか・・・等)
「TOPIX」の問題点
・東証一部の全銘柄が自動的に組み込まれるため、「糞も味噌」も一緒になって、駄目な会社にも投資してしまう
(本来は、そのような企業は上場廃止か降格させるべきですが、それができないのが東証の弱いところ・・・)
このような問題点から、
既存の株価指数には偏りというか欠陥がある!
それがために、日本株はバブル前の最高値が超えられないんだ!
そうであればもっと魅力的で、企業の実力を正しく反映できるような指数を新たに作ろう!
・・・ということで生まれたのが「JPX日経400指数」です(確か・・・)
東証のHPに、指数の概要が掲載されているので引用してみましょう!
◆JPX日経400の狙い
資本の効率的活用や投資者を意識した経営観点など、グローバルな投資基準に求められる諸要件を満たした、「投資者にとって投資魅力の高い会社」で構成される新しい株価指数を創生します。
これにより、日本企業の魅力を内外にアピールするとともに、その持続的な企業価値向上を促し、株式市場の活性化を図ります。
ここでミソなのが、「資本の効率的活用」を重視している、という点であります!
すなわち、「ROE」が高い会社を重視しているということなのです!
「ROE」ってな~に?
◆ROE(自己資本利益率)とは
投資家が投下した資本に対し、企業がどれだけの利益を上げているかを表す財務指標。
ROEの数値が高いほど経営効率が良いと言える。
日本の会社はROEが低い・・・
以前からそのように批判されてきました!
日本の会社は儲かっても利益を内部留保として貯め込み、配当やら自社株買いもあまりしないため、欧米の企業に比べて資本効率が悪いと批判され続けております・・・(´;ω;`)
資本効率が悪い
⇒欧米の投資家が投資しない
⇒株価が上がらない・・・
会社は株主のもの!
利益を会社に貯め込むとはケシカラン!
もっと日本企業も資本効率を重視した経営をせんか~!
という訳で、日本企業の「ROE」向上を図るため、その受け皿として作られた指数が「JPX400指数」である・・・といっても過言ではないでしょう(^^♪
ただ、皮肉にも今回のコロナ禍でも企業の倒産が少なかったのは、平時に貯め込んでいた内部留保のおかげである・・・な~んて言われていたりもしますが・・・
適切な内部留保は重要だよね!
さじ加減が難しいんやで~💦
日経平均・TOPIXとの比較
さて、ここまでの経緯を見る限り、「JPX日経400指数」は、「資本効率がいい=ROEが高い」会社を選抜した指数ということで、「TOPIX」や「日経平均」よりも高いリターンを期待せずにはいられません!
実際のリターンは一体どのような結果となっているのか!?
それぞれの指数のリターンを比較してみましょう(^^♪
※比較に用いたデータは、下記の投資信託のデータを参照しました。
①TOPIX
三菱UFJ国際-eMAXIS TOPIXインデックス
②日経平均
三菱UFJ国際-eMAXIS 日経225インデックス
③JPX日経400
三菱UFJ国際-eMAXIS JPX日経400インデックス
「eMaxisシリーズ」同士の比較やで~
共通のデータが採れる、2015年1月からそれぞれ比較していきたいと思います!
2015年1月~2022年5月
2016年1月~2022年5月
2017年1月~2022年5月
2018年1月~2022年5月
2019年1月~2022年5月
2020年1月~2022年5月
2021年1月~2022年5月
2022年1月~2022年5月
う~ん・・・
「TOPIX」と全然変わらないよ~💦
「日経平均」にはボロ負けなんやで~(´;ω;`)
何ということでしょう!
資本効率の優れた優良銘柄だけを選抜した「JPX日経400指数」と、よりにもよって、「糞も味噌も一緒」の「TOPIX」のリターンとほぼ同じ、という不名誉な結果となってしまいました!
線がほぼ重なってるんやで~!
ていうか、同等どころか、所々微妙に負けてない・・・?(´;ω;`)
一体どうしたことでしょうか!?
あれだけ高説を垂れて、鳴り物入りで登場した指数なのに、なぜこうも「TOPIX」と差が出ないのか・・・
なんで~!?
一説には、「指数の銘柄選定方法」がよくないとか言われていますが・・・
ダメじゃん!
例えば、条件の一つとして、「3年平均ROE:40%以上」という条件がありますが、単純にこの条件に該当した時が、その企業の一番の好調期であり、すなわち株価も高く、要するに指数に組み込まれた時が一番株価がいい時、ということになります。
よって、天井を付けた指数に組み込まれた株価はその後は下落していき、指数全体も同様に振るわない結果となる・・・
どこで読んだか忘れましたが、きんぎょは過去に本で、上記のような「JPX日経400」の欠点を読んだことがあります!
なるほどな!
と思ったものです!
今後は東証の市場区分改革もあり、TOPIXなどの株価指数も改正がアナウンスされております!
個人的には「プライム」の残留要件をもっと厳格化し、本当に優良な銘柄だけをプライム銘柄と認定して欲しいです!
そして東証プライム指数を作る・・・
そうなった場合、「JPX日経400」指数というのものに存在意義はあるのでしょうか?
指数廃止にはならないでしょうが、誰にも語られなくなってしまう可能性はあります!
既にみんな語ってないけど・・・(´;ω;`)
ETFの概要
気を取り直して、最新の月報からETFの各種内容を確認してみましょう!
1593 MAXIS JPX日経400上場投信
(2022.05.31時点)・純資産額・・・5900.9億円
・信託報酬・・・0.078%(税抜き)
・利回り・・・2.02%
・決算期・・・1・7月
・上場日・・・2014.02.25
・管理会社・・・三菱UFJ国際投信
「JPX日経400指数」の算出が2014年1月からで、本ETFは指数算出開始の草創期から既に運用開始されており、かなりの実績を積んでおります!
純資産額も圧巻の「5000億以上」!
信託報酬も、同指数中最安値の「0.078%」!
この信託報酬率は、全ETFの中でも屈指の低コストを実現しており、長期保有にも大きなアドバンテージとなることでしょう!
※2022.06.10追記
2022.06.06に「ブラックロック」から、「iシェアーズETF」の信託報酬引き下げのリリースがあり、残念ながらコスト最安の座は明け渡してしまいました・・・(´;ω;`)
売買も「1株単位」で買い付けできるのは魅力的ですが、いかんせん、1株あたり2万円近くするのが玉に瑕です・・・(´;ω;`)
1株「2000円」ぐらいで投資できれば最高なのに・・・
しかしながら、流動性もそれなりに備えているので、投資対象としては合格点といえましょう!
配当利回りは!?
2.02%(2022.05.31時点)
残念ながら、利回りは「TOPIX」と同等程度といったところです!
地味に決算期が「1・7月」っていうのが良いよね!
この時期に分配金を得れるETFは少ないので、分配金の平準化を目指している方にとっては良い選択肢となりそうです!
まとめ
いかがでしょうか?
「JPX日経400指数」のETFとしては、本ETFはオヌヌメです!
しかし、そもそもJPX日経400指数に投資すべきなのかどうか・・・
きんぎょ的には不要と考えます!
それだったら、「TOPIX」か「日経平均」でいいよね!
ボソッ(きんぎょは忘れられた「TOPIX100」が好みです・・・)
ETF本体は素晴らしい内容なのですが、指数自体が残念という困ったETFであります・・・(´;ω;`)
※本記事は管理人の主観に基づく個人的見解です。投資の最終判断はご自身の責任にて行われるよう、お願い致します。